雑記
蹴りつけた敷居の筋を滲ませて悔しき空に届けと思ゆ
手水舎に置いてけぼりのみぞれ雪うろの梅にも花は芽吹くかこんにちは、大変お久しぶりです、芭蕉です。社会人になってからというものの、忙しさにかまけて色々となあなあにしてきました。しかし、つい昨日、小さな我慢の限界が来まして、心を整えるためにも…
餌箱のサイダーの泡パチパチと弾けて起こす文鳥条虫
かりねやに辿り着けずに見る夢の背に縋りつきまろびあひ果つ
諦めに沈む耳目はポタポタと待ち合いバスを降りてしまえる
びっこひきあすなろ草の見る夢は夜霧と酒に溺れて見える
皮の下ミトコンドリアの蓄える八十八の襞は姑の澱
映り込む鏡向こうのごま塩や帽子被せて我立てば立つ
理髪師と春の陽気は奔らせる異語と戯る雑誌コーナー
桃尻やS字フックの曲一つ嵌めてキュッキュと海女の釣りかな
夢一夜終えた者達の群れ動き無人駅の獣臭き朝寝ずの朝を迎えると、自らの老いを感じる年頃になってしまいました。
新宿に庇借り受け誰知らず雨にも勝てぬ棺に眠る
目まぐるし時の尾羽にひっついてその一枚を借りて飛びたしあんまりに疲れていたために、すっかり更新を忘れていました。また今日から頑張りますのでよろしくお願いします
橙のナイフ突き立て吹き出せる渋味に顰むる皮の厚さよ
華やかさつるるんと剥きぽてれんはサフランの黄を夢に見もする
何するも金のかかりて何するもすり減らせらる靴底も無し卒業間近になりまして、遊び収めと花を咲かせる皆様を横目に、今日も労働に勤しみます、芭蕉です。色々と物入りになると、お金というものの重要性が生命維持にまで口を出してくる。なるべく現金で何物…
味噌汁の底見え始めぽっつりと祖父が呟く戦争前夜
歌えない子牛引きずる朝市場晦ます林檎は餞なれや
寓話へと差し出されたる赤い靴南の海に郷里を求めり
肌色の名はいつの間に過ぎ去るや12の自由の寂しさも真
狂乱に今の昂り溶け合いて明日など来ない永続の楽
mine!半減期の音は聞き届けず硫酸銅の青の澄み晴れ
樟脳の香に痺れる脳髄や個人主義は資本に敗れり
胸病みの浮浪者の蚤飛び跳ねど小見出しの活字にも足らずに
心字池漂い来たる梅の枝映り白鷺つと咥え雲太宰府天満宮にて
伏して見る海の青さや下関のぼせ頭に風を求むる山口県下関駅にて
松山や群がる稚児の喊声に山城さえもささめき笑い愛媛県松山城にて
瀬戸内の干潟を満たす鹿の歩や異郷への道導いて舞う宮島、嚴島神社にて
錆の浮く透明車窓は農村を牧歌に殺し昨日を生き抜く@岡山県車内にて
田に降りて春を囀る籠雀寒きまにまに追う褞袍かな西成区にて