ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

12/1(日)覚えた。もう、忘れない

  • 蓑虫ら
  • 木枯らし吹かん
  • 雪降らん
  • 冬を越えれば
  • 春駒の友
 
 
 
 先日急に冷え込み始めたなと思ったら、一度に日中の気温まで冷え込んでしまった。私はただでさえ外出が億劫な性質であるのに、この気温はたまらない。家でみかんの数でも数えながら冬をやり過ごしたいものだ
 
 
 さて、今日はWHITEALBUM2 の第9話の流れと感想を書く。
 
あれ、第8話の感想はどうしたんだとこれを読んだ方は思うかもしれない。そう、先週は感想を書いていない
 
第8話に関しては感想を書く時間が無かったのもあるが、正直な話ただの温泉回だったのであまりやる気が起こらなかったというのが私の本音である
 
 
確かに第8話の映像はこれまでの回で最も綺麗だった。
 
しかし、話としては、op前の屋上で春樹との交際を報告する雪菜と冬馬のやり取り、旅行先までの道中で運転席と助手席に並んで座る冬馬と春樹、そこに割り込めない雪菜の表情、の2点だけ抑えておけば問題無い内容で、殊更言及する必要もないと判断した
 
あと何よりも、何故この映像力を第8話に持って来れなかったのかという不満が強かったのもある。まあ束の間の、欺瞞の3人を描く意味で重要な回ではあったから良いのだけれど
 
 
 

 それでは、第9話を振り返ろう

①op前

 春樹が訪れても電話をかけても、ピアノを弾き続け無視する冬馬。春樹は差し入れを玄関に置いて帰る。春樹によるナレーションで、冬馬が三学期から登校していないと分かる
 
勿論冬馬が何とも思っていない筈はなく、フェードアウトする画面の向こうで、ピアノの不協和音が虚しく響く
 
 
 

②Aパート

・冬馬復活前
 
 舞台は教室へ。冬馬の机を黙って見つめ、鼻を鳴らして席を立つ春樹を友人の早坂親志が見つめる
 
親志は前回春樹の「本命」を指摘しようとしてしまった空気の読めない人間ではあるが、親志なりに春樹を心配しているのか
 
 
 場面転じてファミレス。学校に顔を出さない冬馬について話す、春樹と雪菜。2人はいちゃつく幸せなカップルに見える
 
最初は春樹が雪菜を「冬馬がいないのはコンサートまでの辛抱だから」と宥める側だったのが、冬馬が雪菜とは電話している、と聞いて動揺。しかし、春樹は上手くかわし、すぐに話は雪菜の誕生日に移る
 
雪菜は、冬馬の分も自分を寂しくさせないで、と春樹にねだる。正直、私は甘口過ぎるものが嫌いなので、ここは少しゾッとした……まあそれはいいとして、それに返した次の春樹の台詞は今回の話の中で最も印象的
 
約束する、絶対に雪菜を1人にしないから
この台詞だけなら問題無いのだが、ここで春樹の珈琲の横に砂糖スティックの殻が3つもあるのが映るカットは印象的だ。
 
「冬馬の事をそっとしておいてやろう」と口では雪菜に言いながら、異常な甘党の冬馬に影響されていること、冬馬が恋しいことがよく分かる
 
この後、道端での熱烈なキスシーンがあるけれども、春樹が冬馬の影を拭うためにしているのだろうと透けて見えるのが痛い。そして、ここで冬馬が律儀に差し入れを食べているシーンを挟んでくるのも、痛い
 
 
 で、帰宅する春樹なのだが、冬馬にメールを送ろうか迷う。そこに雪菜からのメールが来て独白するに、
 
馬鹿だな、俺には雪菜がいるのに……いや、雪菜しかいないのに
 
うーん、ちょっと演出が分かり易すぎやしないのかな、と思うけれど、先ほどからの「冬馬の影を拭えない春樹」という流れをきちんと組んでいると言える
 
 
・コンサート
 
 日にちが変わってコンサート当日。不安がる雪菜を恋人らしく慰め、いちゃいちゃ空気を醸し出す春樹。友人、しかも気になっていると自覚しつつある相手のコンサートだからもう少し自重した方が……でも仕方ないよね、可愛いもんね雪菜
 
というか、雪菜は心から冬馬を好きなのだな。冬馬が優勝したら大学から推薦貰えないかな、とか、恋愛に関してはライバルでも、親友として心から想っているだろう事が分かるから
 
寄り添う2人を舞台の上から見る冬馬。どんな気持ちなのだろうか、それは知る由もない。冬馬は黙ってピアノを弾き始める
 
 
 ちなみに、演奏が終わりきる前に春樹坊ちゃん
馬鹿野郎! 何でそんなに格好良いんだよお前は
とトイレに行って泣き顔を洗うのだが、これは春樹が冬馬の音楽を心から好きだということ、自分が冬馬に追いつけない悔しさを表現しているのだろうか。それとも、舞台の上でひとりぼっちで戦う冬馬に泣いたのだろうか。その後のシーンでも触れなかったのでいまいち意味が分からなかった
 
 
・打ち上げ
 
 喫茶店?で、冬馬が優勝出来なかった事に泣きじゃくる雪菜と宥める春樹。だが、当の冬馬本人は至って冷静
 
いい奴だな雪菜
(雪菜の涙を拭う)
気にするな、私は負けてない。というか、完全勝利だったよ
(中略)
だってさ、あたしのピアノがこんなにも親友を感動させることが出来た。これが勝ちでなくて、なんだっていうんだよ、雪菜
相変わらず姉御肌の冬馬。確かに春樹が泣くのも分からなくもない。
 
ただ、その後感動でまた泣きじゃくる雪菜の肩を抱き寄せ慰める春樹に、ティーカップとともにクローズアップされた冬馬の口元と小さな溜息。ああ、冬馬、頑張って
 
ちなみに細かいけど、ここで席配置が「冬馬-雪菜・春樹」となっているのも面白い。今日の主賓が冬馬だからかもしれないけれど、「冬馬・雪菜-春樹」としないのは3人の関係の破綻が透けて見えたりする
 
 
・打ち上げ解散
 店を出る3人。親に電話する雪菜を待つ春樹と冬馬。冬馬は春樹をじっと見つめる。気がついた春樹は、冬馬が自分をシカトしていた事を責めるが
 
話しかけるな、私の邪魔するな
 
この一言で冬馬は口を噤む。雪菜の誕生日の話題をしても、春樹の顔をじっと見たまま黙っている。
 
 
困った春樹が助けを求めるように、電話する雪菜の方を向くと、
 
こっち向けよ北原。相変わらず冴えない顔してるな。どんだけ見ても……何も感じない
 
 
春樹も負けじと言い返す
 
今日のお前何なんだよ、最近のお前なんなんだよ
 
冬馬は動揺し、「じゃあな」と立ち去る。この一言を呟きながら
 
 
覚えた。もう、忘れない
 
この言葉で、冬馬がお別れしようと思っている事が初めて視聴者に分かる。しかし、春樹が気づける筈もなく
 
電話の終わった雪菜の声にも気づかず、春樹はむっとした顔をする
 
 
 

③Bパート

 ・雪菜の誕生日について
 手を繋いで川沿いや歩く、雪菜と春樹。雪菜から聞かされる冬馬の近況にも春樹は生返事を繰り返す。
 
春樹は以前も出た雪菜の誕生日に言及し、冬馬が何の反応も返さない事を怒る。前とは逆に雪菜が春樹を宥める
 
春樹の苛立ちは、どうしても雪菜よりも冬馬の方に動いてしまう自分の心から来るものだろう。だから、冬馬とまともに話せるまで癒される事は無い
 
 
 突然。春樹は恋人繋ぎに手を繋ぎ変える。はっとする雪菜に春樹は、「誕生日、2人きりで祝わないか?」と持ち掛ける。
 
そして、戸惑い、理由を訊く雪菜に
ちゃんと確かめておきたいんだ。俺には雪菜だけだって

ポロっと心の本音を漏らしてしまう。

うーん、この演出はいかがなものなんだ。確かに春樹の、糞真面目が一周回ったダメっぷりをアピールするには良いんだけれど、私は分かり易すぎて少し醒めた

 

・夜、春樹と雪菜の電話

  春樹の申し出は電話で雪菜に断られ、誕生日は「土曜日に雪菜の家で、家族と冬馬と春樹の皆で祝う」事になる
 
返答を聞いた瞬間、ベッドに横倒れする春樹は、安心したのか、不安なのか
 
しかあし、恋愛に関して、雪菜は行動力のある女子! 実は「家族と」は嘘で、皆での最後の家族旅行を1人キャンセルして家に残ることが発覚する。ここで、先ほどの「土曜日は難しい」という伏線が回収されるとともに、とんでもない事態が発覚
 
 
冬馬にメールを送る時の、雪菜の言葉
かずさ、3人だけだよ……あなたが来ないと「2人きりだよ」
 
やはり、雪菜は強い娘だ。冬馬の気持ちに気づいている時点で当たり前だけれど、最後の最後まで冬馬に戦う余地は残し、かつ春樹を手に入れるための準備も着々と進める。本質は、雪菜の方が冬馬より余程凛々しいのは間違いない
 
 
 
・誕生日当日
 
 早めに雪菜への誕生日プレゼントを購入し、雪菜の準備を手伝おうと電車に乗った春樹。しかし、思い立って冬馬の家を訪れる
 
同時刻、勝負とパーティーの準備に余念の無い雪菜の家には冬馬からプレゼントの花束が届く。これで、春樹と雪菜が2人きりになることは見事確定
 
そして、春樹は冬馬の母冬馬曜子に迎えられる。曜子は春樹の事を、冬馬の想い人「ギター君」として記憶していた
 
 
  一方、Bパートの扉絵で分かる通り、冬馬は空の上、成田空港を目指す。「パーティーのお知らせ」メールを少しの間後悔の目で眺めて
 
 
 
【総評】
 第9話は、崩壊する3人の関係の中で1人踏み出せない春樹を描いた回だった。2人との別れと、音楽の道に進む事を決めた冬馬、春樹を自分のものにするために決戦の場を用意する、外見は柔らかいけれど心は凛々しい雪菜。その2人から何週も遅れて、自分の気持ちの向かいたい先を整理できない春樹は本当に情けない。もうそろそろ全て手に入れる選択肢は無いと気づいても良さそうなものだが、子どもというか何というか
 
演出は、全体的に登場人物の気持ちの分かりやすいものだったし、砂糖の部分など絶妙なものもあった。しかしながら、主人公の春樹に関してはどこまでも説明口調で喋らせてしまう部分があって、そこが惜しかった。あそこまではっきり言われると、想像力もとい妄想力を働かせる余地が無くて困る
 
それにしても、冬馬LOVEな私としては、この展開はゲームで分かっていたけれども辛い。春樹の事なんか早く忘れよう、と思っても「忠犬ハチ公」にはそう簡単に出来る事でもないし。ああ本当、雪菜には悪いけれどアニメがCodeまで続いて冬馬エンドルートで締めてくれないかなあ
 
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