ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

12/9(月)優しくて、冷たいな(1)

  • 百人で
  • 富士山喰らい
  • ほくそ笑む
  • ボイラー室の
  • 亡霊の夢
 
 
 
 
 
 【今日の二句】
あの日から離れた2針壁時計
ひまわりの燃える黄黄赤葉にうつる
 
 
 
 家に帰る途中の道すがら、スノーマンが道端に出ていた。
どこかで見たことがあると思ったら、就職活動中の3月ごろ、まだ片付けられないなあと思って眺めていたやつである。よく見ると周りの電飾もそっくりそのままだ
そう気がついた瞬間に走馬灯が私の周りを駆け巡り、あっという間に1年経ったのだという事を景色につきつけられた気分になった
 
この前も同じような話を書いたのだけれど、案外1年というのは毎年同じところを巡っていてその中で我々は大きく小さく抵抗を繰り返して生きている
しかし細かい事に目の行きがちな私達は、毎日が同じで退屈だと文句を言う一方で変動が起こる度にその触れ幅に一喜一憂するのに慌しく、そんな循環に目を向ける余裕を持つ事はあまり無い
したがって、仏教などではこの触れ幅に一喜一憂する事を執着と呼び、哀しい人間の業と呼んでそれを捨て去る事を説いたりする。他の宗教も大体は、「隣人愛」とか大きいものに目を向ける事を妨げる存在として例外なくこの執着を否定する
 
しかし、こうして去年と変わらない今年の存在を理解させられると、宗教家ではない私は案外執着もいいもんだなあ、と改めて実感する。
毎日に忙しく追われながらも家の前の小さなスノーマンに吸い寄せられてふと過去と同じ日を感じてみる事ができる。こういう生き方が出来るのは、毎日毎日同じようなちまちまとした事に、私が心を砕く事を出来るからだ。
執着を捨て去って何事にもぶれなくなるのは、それはそれで素敵なんだろうなと思う。だが少なくとも、例え器が小さいままでも、私は今のごみごみした生き方が好きだ。だから少なくとも今は、この小さな世界を捨てないまま器を拡大する方法を、楽しく生きながら、結果論としてのんびり探っていきたい。
 
そんな事を考えたりした
 
 
 
閑話休題
 
 
 
 さて、今日は第10話「雪が解け、そして雪が降るまで(前編)」の注目シーンを振り返りながら感想を書く。だが、非常に時間が無いので、まずAパートのギリギリまでで書く事ができる範囲で記事を挙げる事をお許しいただきたい。
続きは1時間内に、「優しくて、冷たいな(2)」のタイトルで挙げるつもりだ
 

10話「雪が解け、そして雪が降るまで(前編)」振り返り

①冒頭

 春樹から雪菜への電話シーンで物語は始まる。
パーティーに遅れる、と辛そうな声を出す春樹。それを心配しながら、努めて明るい声で気にしないで、無理にパーティー参加しなくても良いよと伝える雪菜。
しかし、絶対にパーティーに向かうから待っていて、と食い下がる春樹。雪菜もその勢いに了解する
  
「ごめん……ごめん、雪菜」
 電話を切って呟く春樹は予想通り成田空港にいて、前回の最後に躍子とどんな会話を交わしたかは視聴者にも大体想像がつく。
恐らく春樹は、冬馬が隠していた海外行きを教えられ、別れが近づいている事を知った。一切何の相談もされなかった事は、友達としても、何より雪菜に不義理ではあるが冬馬を想う身としても辛かったろう。
だからこそ、何も語らず去ろうとする冬馬に何が何でも話を聞こうとしたのだろうし、「ずっと3人で」が不可能な事を直接雪菜に伝え、別れを告げさせるためにも誕生会に引っ張って行こうとしたのだろう。
 
ただ、雪菜に嘘を吐くのは事情が事情でもまずいんじゃないだろうか。
本人は気づいてないのかもしれないが、私は冬馬が好きです、と言っているようなものだ
 
 
「皆で先に、始めてて……か」
 そして、通話の切れた携帯を抱え、2人分並べられた豪華な料理を前に、先程までと打って変わって沈んだ声を出す雪菜。その表情は伺い知れないが、気持ちは分かる。
ようは、この時点で聡い雪菜は全てを悟り、改めて自分の中での勝負に負けた事を実感したわけだ。春樹が見ていたいのは冬馬。それを再確認したらこうもなるよ
自分に本当の意味では決して振り向かない相手を待つ。春樹自身と親友の冬馬の惹かれあう気持ちを知った上でその業を背負ったのは雪菜自身だが、やはり可哀想な人だなと同情する
 
 
 

②Aパート

成田空港
 
 9話のエンディングの続き。
指導を請いに向かったヨーロッパから帰国し、携帯を開いて雪菜からのメールを改めて見ていた冬馬。その目の前に春樹が登場する。
 はっとしながらも、「お帰り」と一言述べる春樹に顔を背ける冬馬。私だったら距離を置いていた知り合いが連絡も無しにいきなり目の前に現れたら、ちょっと気持ち悪いやつだなあ、とか思うけれど……これも春樹クオリティーか
 
 
・電車内
  空港からの電車内、窓の外を見続ける冬馬と、その隣に座る春樹。気まずい雰囲気が漂う
 意外にも先に口を開いたのは冬馬
冬「どうしてここが」
春「躍子さんに会った」
冬「そうか、それでか……」

 ふっと微笑む冬馬

 

 躍子が意外にいい人だったと評価する春樹に、あの人も歳をとったと笑いながら話す冬馬。母親を憎んでいた頃の影は微塵も感じさせないその愛情を持った言葉に、冬馬の成長を感じる
実際、冬馬自身も
「あんな普通の母親をずっと憎んでいたなんてな……何か馬鹿みたいだ私」
と自嘲気味に言っている。仕方ないよ、親子だもの
 
 新しいピアノの先生が決まった話をし、家に帰って休むと言う冬馬。しかし、春樹はそこで、誕生パーティーに連れて行くと宣言する
「そこで正直に話すんだ。来月から母親と住むって。ヨーロッパに行っちまうって……」
 春樹の一言で重くなる空気。これは、気持ちは分かるけれど冬馬が事情を一切話さなかった事が悪い、仕方ない
 
この時、宣言する前に、9話で春樹が店から出てきた時のシーンが挟まれるのだが、その買い物が指輪だった事が視聴者に明かされる。
心を決めようとしていた春樹だが、いくらなんでも重すぎるだろう……そして、雪菜の映像でもなんでもなく、この指輪のカットを挿入した事の意味はつまり……。多分、躍子に会って冬馬と会えなくなると分かった時点で、心が一気に引きずられたのだろう。しかし、酷い人だなあ
 
 
 
 
 ごめんなさい、ここで月曜日のタイムアップが来てしまいました。
それではこの続きは、「優しくて、冷たいな(2)」の記事でお読みください。Aパートの「・ホーム」から始める予定です
1時間以内にはアップする予定です
 

 

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