ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

12/14②これからはうんことかオッパイとか言っていいのか…

 

 

 

 お菓子も無くなったので、兄が貸してくれたペルソナ4を聴きながら記事を書いている

透き通った声、テクノ?っぽい音程、どれも好みだ。

アニメの『ペルソナ3』しか観た事が無いけど、きちんとプレイしてみようかな

 
『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』 オープニングムービー - YouTube

 

 

 

 あなたは自分に正直に生きていますか?

この手の質問をされると、私は「自分に正直に生きるとは何ですか?」と聞き返してしまう性だ。

ただ、そんな私を周囲は「良い意味でも悪い意味でも割と自分に正直に生きている」と言うし、年上の方達はそこを評価して可愛がってくださる。私自身は、その「正直に生きる」が何か分からない有様なのに、全く人の世は面白い

 

そういえば、最近読者登録させていただいたこのブログで「青春って何?」と書いていて、その疑問を持つことが素直に面白いと思った。

青春ってなんだろう(´-ω-) - 半径1.5メートルの世界

ネット上の年齢や性別の正しさを私はよく分からないからなんとも言えないが、10代でそういう問いを持てるのは、上から目線だが、良い事だと思う

 

ちなみに私自身としては、「青春とは、過去の経験を消化する生き方をするようになった時(瞬間)、過去を懐かしく思うための概念だ」と考えている。

1つ1つの体験が忙しく過ぎていく時代において、その体験1つ1つに固定的な意味は無い。忙しい時代を過ぎ去り、もしくは捨て去り、その体験を経験として記憶の中に再体験する余裕が出来たときに「青春」は立ち現れる。

したがって、「青春」は過去を消費する生き方のものであり、往々にして老いたもののものである。なんて、格好をつけてみたけれど、私も過去を楽しむ生き方をしていてもまだ若輩の身だし、よく分からないね……偉そうな事を言わず本題に移ろう

 

 

  先日から予告していた、今日紹介する『夜の須田課長』は前述の曖昧な言い方をすれば「自分に正直に生きられない」、厳密に言えば「自分の生きたい生き方を生きられない」人達の物語である

 

夜の須田課長  (リュウコミックス)

夜の須田課長 (リュウコミックス)

 

 

 

【ストーリー】
・夜の須田課長
本音と建前を上手く使いこなせず、妻も含めて他人との生活において本音を捨てた須田課長。お陰で爽やかなイケメンとして会社でも認められてきた須田課長だが、日々の生活に追い詰められ、鬱屈が奇行や問題行動として出てしまい、妻も家を出る。建前を捨て、全て本音で語るようになった課長はどうなる……
・浅岡くんのえす
イケメンでキャラを作っているがとてもスケベな浅岡くん。彼女の市川に振られた浅岡は市川の友人谷口に興味を持たれ……
・ちか子ちゃんの父
子供達が成長し、父親甲斐の無くなってきたことに不満を持つちか子ちゃんの父。娘のちか子ちゃんに彼氏が出来たり、息子の亮介が手のかからない位優秀だったりで、家での存在感を失うことに寂しさを感じる父は……
・ムネチカくんの駄々
奥さんのリコちゃんを妊娠させ、リコちゃんの身体を作り変えてしまった事に罪悪感を持つ佐野ムネチカ。その重みに耐えかね、ムネチカはリコちゃんに心ない言葉を掛けてしまう……
・あやちゃんのデブ
デブな彼氏を持つあやちゃんの悩みは尽きない。ある日、バイト先のイケメンの村井君に彼氏と別れて付き合えと告白されたあやちゃんは悩みに悩む……

 

 ストーリーを見ても分かるとおり、表紙の絵やそのタッチから感じるイメージとは異なり、男性が読んでも全く問題ない作品。

主人公は最終話以外年齢層の違う男性達で、皆自分の現状に不満や悩みを抱えている。不満や悩みを発散するため、あるものは半裸で出歩き補導され、ある者はうじうじ悩み、ある者は無理に存在感を出そうとして空回りしたり、その表情は実に様々だ

まあ、大体は女性側の懐の広さや強さに救われるというオチで、男性陣とは対照的になんだか出てくる女性は全員強い人たちだなあと感じた

 

 

 私が一番好きなのは、タイトルにも使われている「夜の須田課長」

まず、ネーミングが良い。本編を読めば分かるのだが、課長の環境を激変させる事態は常に「夜」にあり、オチもその結果としての子どもに帰結している。その流れを一言で表しているのが気に入った

展開がオーソドックスながら切れがよく、読みきるのにあまり時間を使わず楽しめたのも好感。課長の堕落していく様と救われ方の単純さはそのギャップがおかしくて笑ってしまう

 

さて、中でも一番好きな言葉はこれ

これからはうんことかオッパイとか言っていいのか…

 

妻と子の泊まる病室で初めて子を見た日、自分の子が泣き始めた理由をうんこだおっぱいだと言い合う母と妻を横目に、須田課長が発するこの言葉が私は好きだ

 

子どもを目の前にしてまず課長が、非常に自分勝手な考えをするところが実に面白い。ストーリーの関係上オチをつけるために必要というのもあるだろが、「自分を殺して自分ばかり頑張っているつもりで、周りの支えに気づいていない」という課長の人間像を描ききる上で大切な最後のピースになっている。

 

あ、ちゃんとその後、子どもを抱いて「かわいい」というシーンでフォローも入っているよ。産まれたばかりの子どもが綺麗過ぎるのが私的には少し不服だけど

 

 

 総評としては、手軽に笑って自分の悩みがくだらないと思いたい方にお勧めの漫画かな。私自身結構笑う事が出来て楽しかったので、もしよろしければ是非