12/14(土)①スーツ着た紙切れ一枚自我語りロビー白昼夢軍靴の音聞く
- スーツ着た
- 紙切れ一枚
- 自我語り
- ロビー白昼夢
- 軍靴の音聞く
今、お菓子を齧りながらキーボードを叩いている。
LOTTEの「プチブッセ練乳いちご味」、これまたバイト先でパートさんから頂いたのだ。(商品が見つからないので、バニラ味で代用)
口に頬張ると、サンドに使われるソフトケーキの柔らかな口当たりと練乳いちごクリームの甘酸っぱい香り、間の板チョコの苦味と食感が上手い具合に合わさって大変美味。偶然にも副店長から頂いたチョコと同じくロッテ製品かついちご味なのだが、よくよく縁があるなロッテといちご
今日のおやつを恵んでくださったのはこの前カロリーメイトを頂いたとは別のパートさん。
一見辛辣な言葉で私の事をくそみそに貶す酷い人だけれど、優しい頼りになるお姉さんだ。一応付け加えると餌付けされた訳ではないよ
今日も「芭蕉、まだ生活苦しいの?」と突然聞いていらして、いつものいじりかと思って身構えた。だが、次の瞬間には「私もいいことあったから恵んだげる」と500円玉を貼り付けてこのお菓子を下さって、正直驚いたし、申し訳なくなった。
本当にありがとうございますMさん。「いいこと」の方も頑張ってください、心から応援しています!
と、ここまでなら、そこらでよく聞く「私は愛されてる」という要らない惚気と大差ない。読者の方も別に欲していないだろうそんな自己満足。問題はそこにはない
こうして助けて貰えると、改めて周囲に恵まれているなあ、可愛がって貰えて嬉しいなあと感じる一方で、自分はそんなに外側から見て危うく見えるのか、来年から社会人になって大丈夫なのかなあと私は不安になるのだ。
実際、私は冗談抜きでどんくさいし、とろい。人見知りかつ異性が苦手で自意識過剰で、知らない人と話をするといやに口調が馬鹿丁寧になって顔に歪な笑顔が張り付くような人間だ。変人だから、環境が変わるといつも自分を理解してもらったり、友達を作ったりするのに苦労する
仕事の時はいつも「仕事だから」と暗示をかけて少しメンタルを強化しているけれど、能率と異性への恐怖はどうしても上手くいなせない。
会社は仕事が出来てなんぼの世界と言うし、来年からの職場は異性が一杯いる。上手く生き残れるのか……
一昨日、大学の先輩とご飯に行った時も(この時も全額奢って頂いてありがとうございました先輩)、働くのが不安だという話をした
先輩は「今の時期は皆そんなもんだし、仕事始めたら大抵の人間は仕事を早く辞めたいと思うもの」と笑顔で励ましてくれたが、それってどうなんだ……。
「その不安を感じられるだけ良いじゃないか。内定を貰えずもう一回就活をする人間の事を考えろ」と仰る方もいらっしゃる。私の同期にももう一度就職活動をする人間がいるから、その意見もごもっともだと思うのだけれど、でもこの不安は内定を貰えたから避けられるとかそういう類のものではなくて。
例えば、冬の夜の夕飯の買出し
温かくて心地よい、全てがあなたにある程度生き易く設定された部屋の中から、あなたは外にでなければならない
外に出ればあなたは、スーパーまでの道すがらで、排ガスの中にも綺麗に浮かぶ月を眺めたり、散歩帰りの犬達や猫達の会議の話し声を聞いたり、木に留まっては回遊してを繰り返すコマドリたちの不思議な周期を計算したり出来る。
スーパーに入れば、どうやって育ち、加工され、食べられるか予想のつかない不思議な食品達との邂逅や、思わぬセール品を巡るバトルと獲得後の余韻に浸れる。
そして、戻る頃には温かいあなたの部屋の心地よさと厳しい外にも存在する素晴らしさを思い出しながら、美味しい食事にありつけるだろう
しかし、あなたは外に出るのを渋るかもしれない。冷凍食品がまだ沢山あるし、ネットスーパーで一気に頼めば配送料無料で沢山商品を買えるからお徳だし良いよ。そんな答えをするかも。
まさしく私は今、この部屋にこもる人間なのである。
分かっている、現実を考えれば現在の環境で食っていくのは到底不可能だし、まともに勤めもしないまま職場が自分に合うかという判断なんかつく訳もない。「慣れ」とは凄いもので、自分にとって苦手な状況だってある程度慣れればその中で最善を尽くす方法は幾らでもある。やり方によっては少ないかもしれないけれど自分の理解者だってきっと作れる
それでも、踏み出すのが怖い。今を捨て、家の外に一歩踏み出すのが途轍もなく怖い。そこそこ理想的な環境を作り上げた現在に至るまでの苦労を思えばこそ、更に恐ろしくなる
ただ、1つの救いは、この不安は期限付きで、来年の4月が来れば自然と解消されるだろうということ。
入社し、嫌でも経験を積んで社会人として適応していけば、きっと霞んでいくはずだ
だから今は兎に角、距離を近づけすぎず置きすぎず変な方向にこの不安を刺激しないように気をつけながら、その別れの時までにこの感情を観照するべく努めようか