ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

12/7(土)50万円

  • 空の上
  • 風船男
  • 夢を撒き
  • パンの耳待つ
  • 鳩私鳩








【今日の一句】

パンプスは猛禽の爪に赤赤

 

 

 

 人はお腹を空かせると辛辣になると言うけれど、今日はかなり精神的にきている

本当なら今頃私は、楽しい北海道旅行をしている予定だった。北大の後輩の家で、初めて訪れる北海道に目を輝かせながら、お勧めのジンギスカンの店で一緒に羊の肉を噛み千切っている予定だった、羊の肉は臭みが強いと聞くから、多分それを理由に調子に乗ってサッポロビールなんかがぶがぶ呑んでしまったりして。ヘロヘロの足で北大を野次った後、高橋しん氏の『最終兵器彼女』や『いい人』の聖地巡礼なんかをしちゃうつもりだった

でも、現実の私は定期が切れて、毎日の通学にも事欠く有様。もう銀行口座の中なんかすっからかんで、喧嘩別れした相手から「借りを作りたくないので」と送られてきた映画代分のクオカードとなけなしの小銭に縋って暮らしている、尊厳も何も無い状態だ。今日も、仕事先で貰ったチョコレートとりんご1つで1日をつないだ

 

……という訳で、パンの耳を齧るような生活の一方でバイトや山積みの課題もあり、現在新しい本の読書にあてる余裕が殆ど無い。まあ悔しくはない。それもこれも九州で旅行を楽しんだツケだし、あと3日耐えればこの暮らしからも解放されるから。それでも早く来い、来い、来い、来い、来るんだ11日

ああ、このままだとただの愚痴を続けそうなので本題に入ろう

 

 

 昨日お~いお茶の俳句の話をしたが、ひもじくてなかなか寝付けなかったので夜中に検索してみた所、今年も応募していた

 第二十五回 | お〜いお茶新俳句大賞

 

伊藤園 おーいお茶 緑茶 500ml×24本

伊藤園 おーいお茶 緑茶 500ml×24本

 

 

必要な部分を引用するとこんな感じ

テーマ

テーマは自由です。自分で感じたこと、思ったことを季語や定型にこだわることなく、五・七・五のリズムにのせてのびのびと表現してください。

 

応募部門

日本語俳句

・小学生の部(幼児含む)

・中学生の部

・高校生の部

・一般の部A(40歳未満)

・一般の部B(40歳以上)

英語俳句

・英語俳句の部(年齢・国籍問わず)

※大学生・専門学校生は「一般の部A」に含まれます

 

応募条件

・応募作品は本人が創作した未発表のものに限ります(お一人様6句まで)。必ずご本人がご記入・ご入力ください。

・応募作品は返却いたしません。

・入選作品の発表や出版に関する著作権は伊藤園帰属するものとします。

二重投稿や著しい類想類句が判明した場合は、受賞を取り消す場合があります。

 

応募方法

応募期間:平成25年11月3日(日)から平成26年2月28日(金)まで。

・ハガキ、FAX(A4サイズ)、インターネットのいずれかの方法で、お一人様6句までご応募いただけます。「応募部門と作品」「郵便番号」「住所」「氏名」「年齢」「電話番号」「Eメールアドレス」所属されている場合のみ「句会、学校名、サークル名」を明記してください。

ハガキの場合は、「応募部門と作品」のみを裏面に、その他を表面にご記入ください。また、作品の漢字にはフリガナを付けてください。

※団体でまとめて応募される場合は、所定の用紙をご用意しておりますので、伊藤園新俳句大賞事務局までお問い合わせください。また、下記より応募用紙をダウンロードすることもできます。

※団体応募締切:平成26年2月10日(月)

 

審査員

応募作品の審査は、俳句界をはじめ、演劇や写真、映画、書道など、芸術に関わる9名があたります。

日本語俳句

浅井愼平(写真家)

・安西篤(俳人)

金子兜太(俳人)

・黒田杏子(俳人)

紫舟(書家)

鈴木敏夫スタジオジブリ プロデューサー)

吉行和子(女優)

英語俳句

・フィリップD.ジトウィッツ(明治大学教授)

・星野恒彦(俳人)

※ 50音順・敬称略

 

後援

文部科学省 現代俳句協会 日本学生俳句協会 国際俳句交流協会 NHK学園 NHK文化センター

朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾 産経学園 毎日文化センター

よみうりカルチャー (公財)日本国際教育支援協会 日本教育新聞社

 

まず、調べて出た第一声は「う、うわああああ」という情けのないものだった

だって、私が小学生の頃と比べると随分スケールが大きくなっていたから。何か海外から英語俳句(※)を応募しているし、選者に鈴木敏夫氏を含めて色々な業界の人がいる。後援に名を連ねるのもそうそうたる面子だ。驚かないほうがおかしい。

 

形式を問わず投稿可能で、投稿料は無料で何と1人6句まで投稿できる。

しかもよく知られたお茶の会社という事で人の目にも触れるし、インターネット受付で応募できる。宣伝会議賞のように、幅広い業界から多数の人が参加しているのだろう

画面の前で私は1人勝手に納得した

 

 

 と、そんな私の目が優勝賞金に釘付けになる。優秀賞を獲れば賞金は最低5000円から最高50万円まで出る、だと……太っ腹過ぎだろう

お腹が空いているためか「50万円」の文字がいつにも増して大きく見える。もしもそんな大金があったなら……購入できそうな本や美味しそうな食事の数々が目の前をよぎり、すきっ腹がくぅと哀しい鳴き声を出した。

締め切り欄を見ると、期限は「平成26年2月28日(金)」。あれ、まだ間に合うじゃないか!

 

こうして痩せ犬は、このコンテストに応募する事を決めた。

思い立ったら早いほうが良い。迷って時間をかければかけるほど、余計なものをごてごてつけてしまう自分の性格を考慮。夜中眠くなるまで句を練った後、バイト先までの通勤途中に新しく製作した句も合わせて脳内で選歌し、6句を選別して投稿した。

お腹が空いていて、新緑を摘んで作るお茶のイメージには合わない、暗い歌しか作れなかったけれど……

 

……

 

……

 

……

 

 ええ、皆さんのおっしゃりたい事は分かります。「おーいお茶の俳句コンテストに投稿したよの1文で良いじゃないか、長いよ」ですよね、ごめんなさい私もそう思います

本当、果てしなくどうでもいい話です。強いて言えば、書きたかった事は「皆さんもお金かからないし簡単に投稿できるから応募しましょうよ」ね。分かりにくくてごめんなさいね

実は特にこれ以上話す内容も無くて更にごめんなさいなのだけれど、最後に投稿するための俳句を詠んで改めて気づいたことを1つ

 

 

 短歌と俳句は、歌を詠む時に使う頭が全く違う

短歌は、少なくとも5・7・5・7・7の計31文字が存在するため、装飾表現に十分な文字数を割く事が出来る。穂村弘氏が寺山修司氏を引いて「回帰による自己肯定」という話をしていたような気がするが、ようは5・7・5で本旨を伝えて7・7で改めて回収したり、意識的に出鱈目にした表現の羅列でダダイズムやシュルレアリズムのような自然発生的な意味を楽しんだりする余裕が短歌にはある。そのよく言えば奔放さ、悪く言えば自己満足も厭わない無茶苦茶さが、私のような初心者の参入のしやすさを広げている所もある

一方で俳句は、5・7・5と短歌の半分の17文字しかない。回収による自己肯定が出来ないので半端な自己流の表現をすると投げっぱなしジャーマンになるし、そもそもの文字数が少ないから、季語を盛り込まずとも短歌の持つような自然発生的な意味を楽しむ余裕は殆ど無い。したがって、本歌取りや題を決めた詠み、簡潔を極めた表現が自然好まれるようになる。


そのせいだろうか。折角短歌を毎日一首詠むようにしているから、その技法を何とか俳句にも活かしたいと私も頑張ったけれども、どうも上手く行かなかった。

実力不足というのは確実に関係あるけれども、「うみ」に「海」と「生み」を掛けるのような基礎的な掛詞の技法すらも俳句の世界の前では、感覚的な表現だけれども非常にごてごてした異物に見えてしまうのだ。

こういう違いを乗り越えて表現を交換しあい、面白い作品を作る上手い方法はないものかなあ。まあ、単に私の脳内の偏見が、架空の壁の存在を成立させている可能性は否めないけれども

 

  

※「英語俳句」ってなんですか……と思った方も多いだろうからリンクを。私も今回初めてその存在を知りました

The Japan Times ST オンライン ― 英字新聞社ジャパンタイムズの英語学習サイト