1/21(火)佐賀県武雄市の図書館についての私的妄言
最初にですが、以下の3つは関連のニュースで特に面白いなと思ったものです。
私も実は以前からこの武雄市の図書館に関しては興味があって、一度考えたことを記事に纏めてみたいと思っていました。
というわけで、これも何かの縁。私なりに考えた事を今回は一つの記事に纏めてみます。どなたかが仰った事の焼き直しの可能性が高いですし、誤った事も書いているかもしれません。遠慮なく御指摘下さい
1.私の立場
まずは私の立場から。
私は、官営施設とは民の運営では安定したサービスの維持を確保出来ないものを担保するためにあると考えています。
即ち、社会機能とは本来民の力で極力賄わられるべきですが、資金力や採算性、受益者数の数の問題で民の一企業や団体では請け負えない部分もある。それを民でお金を出し合って官が担う、という立場。
前述記事内でも指摘されていましたが、代官山蔦屋や有楽町マルイ蔦屋といった実例を見ると、CCCと図書館の融合というのにそこまで違和感を感じませんしね。
あと、私も以前行った事があるのですが、武雄市という、失礼ですが娯楽施設の少ない地方都市で、市民が集まり娯楽を享受する場所に図書館が変わるというのは良い事でしょう。
2.素朴な疑問
しかし、やはり少し疑問が残るのもまた事実。今日は無知な学生なりに、忘れないうちにその疑問を2点書き出しておこうと思います。
・CCCが採算性等の問題で図書館から撤退する事態は本当に無いのか
営利企業によって、図書館という施設が安定した運営を維持出来るか。これが第1に気になります。
流石に、利益が出なくなったからポイは無いにしても、業績の悪化が原因で司書の数や質、書籍の収集量、種類に影響が出る事は無いんでしょうか?
・「利用者が決める」「市民にとっての図書館」で本当に良いのか?
前述の話にも繋がりますが、多数決の論理や採算性で資料の選定や図書館自体のサービスに影響が出ないようにする事も、官が図書館を運営している一つの理由です。
しかし、それによって図書館の大事な業務としての資料点検やレファレンス、少数とはいえコアユーザーが求める「ゆっくり資料を探し、閲覧する」雰囲気が圧迫される事は本当に許されて良い事なのでしょうか。
こういう言い方をすると「図書館はこうあるべきだ論」に捉えられるようです(実際前述の記事でお気の毒に糸賀教授はそう扱われていました)が、図書館には時代を超えて本を収集・保管し後世に残す役割もあるわけで。
硬直的もとい変わらぬサービスを安定して提供し続ける事が得意な官だけではその役割を維持する以上の事がなかなか難しく、今回の提携は確実に刺激になったと思います。
けれども、採算性や現在の市民の意見に左右されて一部の重要な役割を放棄してしまうのもどうなのかと私は思うのです。
3.武雄市図書館がもっと良くなる方法の妄想
さて、ネチネチと嫌な事を書きましたが、確かにお金を出して管理するのも、利用するのも武雄市の方達であくまで私は部外者です。
大体私は、出来る限りを民で賄うという発想には本来賛成派なわけです。ですから、無い頭を絞ってどうしたら武雄市図書館がより良くなるか幾つか考えてみました。
・コアユーザー等のための静かな調べ物スペースを別館や個室といった形で確保する
樋口市長も既に仰っていましたが、図書館をただのブックカフェにせず、図書館として利用してもらう可能性を高めるためにもこれは大切。予算の問題はあるけれどね
・一部資料に関して、利用者への利用方法説明を行いつつ電子化書籍の導入を行う
こちらが私の本命。
私が住む都内某区においては、区内の図書館同士で連携して資料の交換貸し出しが行えるようになっていますが、利用者数や図書館数の違いから恐らく武雄市ではこうはいかないでしょう。そこで私が考えたのが、不人気書籍に関する電子書籍の導入。
電子化した書籍を自宅内から一定期間借りられるシステム(ライセンス切れで自動消滅する)を構築すれば、限られた資料の取り立てや貸出業務に追われずに済みます。
館内レファレンスも(最早「館内」というよりは恐らく出版社と契約してデータを保持しているか、やデータ化資料を貯蔵しているかですが)、検索してデータがあるか確認して来館者のスマフォやタブレット、PCでの閲覧方法を教えれば終わり。
勿論、電子書籍導入後一ヶ月間位はコールセンターか何かを設置して利用方法の問い合わせ電話対策をしなければならないかもしれませんが、その後のコストダウンを考えれば安いものです。
この妄言を読んで「馬鹿だなこいつ」って思った方は多いでしょう……はい馬鹿です。
しかし、実現すればコスト削減と蔵書量の拡大・充実が一挙に行えます。どうせ図書館を改革するならば、これ位やっても良いのではないかと私は思うんですが、やっぱり馬鹿ですかね?
4.最後に
以上のような方法でなくても勿論全然構わないので、この図書館が修正を重ね、一つの未来の新しい図書館像を見せてくれる事を期待しています。それでは