ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

1/25(土)愛性逸アイデンティティ

  • 数えでは
  • 二十歳と名乗れり
  • 異教徒の
  • 宵闇挟む
  • 爪先の星



 こんばんは、神は私を見捨てていませんでした、金策が何とかなりそうな芭蕉です。これで、卒業まで幾許も無いながら、何とか暮らしを保つ事が出来る……


で、今日はタイトルからホルモンを食べたくなるような意味不明な日記ですが、単純に男女の営みとアイデンティティを絡めたお話です。
実は、購読しているブログの方が「自分のアイデンティティ」について書いていて、私もちょうど書きたい事があったので重ねて書いてみました。
以下で私はいたって真剣に書いていますが、内容に不快感を持つ方もいらっしゃるかもしれませんので、覚悟を持った方のみ続きをお読み下さい。







実はつい先日、Gigazine上にこんな記事があるのを知りました。
ネタはGoogleGlassに関する、イギリスで開発された、日本でガラパゴス的な進化を遂げそうな予感のする実にユニークなサービスに関して。


簡単に言うとまあ、物好きな2人がそういう行為をする時に、GoogleGlassを通じて写真や動画、ストリームという形でお互いの視点をシェアしたり、第三者にシェアしたりするサービス。某馬ロゴの会社でやっていると聞く大人向けライブチャットを、リアルタイムで行為する人間同士でやるんですね。



 で、私はこの記事を読んでどう思ったかと言えば、大変興奮しました。以前、LovePalzが登場した時も一時的に同様の興奮をした事がありました。ただ、あの時と今回じゃ比較になりませんね。勿論下品な意味ではありませんよ?

こう見えて私も、そういう分野にかける技術と執念は他国の追随を許さないと言われる、クレイジーな日本人の端くれ。
TENGAがお洒落さを売りに登場した時も、日本の性は笑いと結びついているという小松左京氏の言葉を思い出し、それを商売に活かした方の頭の良さに感心したものです。
したがって、潔癖症の反動なのか、性の分野のビジネスには実はかなり興味があります。LovePalzに関しても、あくまで妄想の中でですが、自分ならどうやって改良・活用してお金を稼ぐ仕組みを作るかなあとか考えたりもしました。
※ちなみに、LovePalzとは、遠方にいる2者が雌ネジと雄ネジの役割を果たすパーツをUSBでパソコンに繋ぎ、その動きを連動させる事で、擬似的な繋がりを可能にする玩具。台湾で開発され、一時期ネットでも話題になりましたが、そのスペックの低さからすぐに忘れ去られた一品。
LovePalz Connecting Lovers
【夢のガジェット?】台湾の大人のおもちゃ「LovePalz」【どこがやねん!】 - Togetterまとめ


さて、余談は良いとして、私がLovePalzの比較にならないほどの興奮をS/Gに感じたのは何故か。それは、S/Gに、肉体的接触の延長のためのデバイス以上の作用を感じたからです。
あくまで私見ですが、その手の行為に関して私は単純な快楽を超えて次のような意味があると信じています。即ち、「客観に埋没する事による主観の獲得」を行為者に行わせる、という意味。
睦言を紡ぎつつ、誰かと誰かが布団か何かの上で触れ合う時、その行為と反応には意識を超えた鍵作用のような関係性があると思います。LovePalzが象徴する行為は一応その極致ではありますが、過程にある他者の反応を受け取りこちらからもサインを出すボディタッチ等を用いた「気持ちのやり取り」と呼ばれる行為にも、他者に浸りながら自分が変化していく不思議な作用があるのです。
つまりは、自己の外側に逸脱しながら自己を決めるという作用で、精神的なショックなどネガティヴな方向ではなく快楽でこの逸脱自己形成が可能なのはそういう営みのみなのです……何か経験少ないのに偉そうで気持ち悪いなここらでやめよう、あくまで私見ですからね!


LovePalzはやろうと思えば1対多の営みに近い状況も実現出来るだろうし、行為の在り方を変える存在としてそれはそれで面白いツールではありました。
しかし、肉体的な接触関係を空間を超えて再現する、物理的な接続の補助にしかなり得ず、それ以上の役には立ちません。
精々、Skypeを通じた視点の動かないカメラから見える相手の映像が、気持ちのやり取りを補う程度でしょう

他方、S/Gは違う。
外側にあるモニターではなく、視界を覆うグラスのストリームを通じて筒抜けになる相手の視線によって欲望する対象として自らの身体を受け止め、相手の視線に合わせて自らで自らの身体を更に欲望化する。行為に必要な一般的知識という「他者」さえも、行為をしながらその視界の片隅で取り入れられられるため、常に他者は側にあり自分達を規定してくる。
誰かに映像をストリーミング公開すれば、営みで触れ合う他者はますます抽象化していって、その抽象化していく視線に合わせるから自分も抽象化していく。カップル2組でお互いの映像を入れ替えて行為すれば、それだけは確かであった「2人の介在する」行為は最早完全に他所行きの顔に変わり、2人は抽象の海に溶けて行く……

漫画『攻殻機動隊』で少佐がどこかのビーチで女性の義体とそういう感じの事をする時に、自分の義体を通過させることで感覚を増幅するみたいなシーンがあったと思いますが、その一歩手前ですね。
今こそ、フーコーフェミニストの身体理論の正しさが確認されるかもしれない、そんな巨大な実験場が、たかがネットに繋げる眼鏡をつけたままお遊びするだけで実現するかもしれないなんて。
顔面整形なんかが生半可に見えてくるような、精神のプチ整形される世界。
その世界で、自己はどういう風に形成されるんでしょうか? 怖い、非常に怖いけれど見てみたい、そんな気持ちになりませんか? 



……まあといっても全ては私の脳内妄想。ヒットするかも分からないし、サービスの行く末も分かりませんが、このユニークなサービスが齎すかもしれない変化を勝手に想像して興奮した芭蕉でしたとさ。

ちなみに、私が今日書いた話に通ずる実験を扱った記事でこんなものもありましたね。私の妄言で興味を持った方は読んでみるといいかも



それでは、不愉快な話をダラダラとして申し訳ありませんでした。本日はこの辺りで、ではではー。