ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

1/26(日) フレーバー 黄黄赤青を 嬉嬉と溶く 珈琲の湯気の 支えてる街

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 こんばんは、書き上がりそうにもない明日提出のレポートに向かいながら、手の回っていない金融系科目の試験にサイゼリアで黙祷を捧げています、芭蕉です。
学術選書や選書と名のつくシリーズは、どの出版社のものでも簡潔にまとめてあって読みやすいから好きですが、レポートに引用する段階になるとあまりに簡潔過ぎて手の加えようがなく困ります。
というか、関係無いけれど隣の若い子達のはしゃぎ声が耳に痛い……若さっていいなぁ……嫉妬してしまう

さて、というわけで今日は正直ゆっくりブログを書く時間がありません。仕方がないので以前Twitterで呟いた漫画の読了感想を編集してお送りしましょう。




まず、1作目はつばな氏の『バベルの図書館』。

バベルの図書館 (FX COMICS)

バベルの図書館 (FX COMICS)


【ストーリー】
主人公の渡瀬くんは、紙に触れればそこに書かれ得る文章を全て読むことが出来るという能力を持つ。
ある日の作文の時間、いつも通り原稿用紙を触ってクラスメートの文章を漁っていた渡瀬くんは、不思議に魅力的な文章に触れ、それを一字一句書き写してしまう。それはヒロインである相馬さんの書いた文章だった。
この不思議な事件によって知り合った2人は打ち解け、相馬さんのとある目的もあって歪な文通を続けていくが……

生協の平積み本で手に取りました。読了感は「むず痒いけれどそれが心地いい」という感じで、ストーリーは惡の華』の前半を、救いの方向に軌道修正したもの。
渡瀬くんの能力や、相馬さんの「天使」への憧れの由来(理由)を無駄に事細かに解説したりしないことで、現実のあるがままさ、ともすれば不条理さが出ていて非常に良かったです。
ちなみに、本作で1番凄いなと思ったのが、オチにも近いので深く触れられませんが作中での「不審者警戒々の伏線の回収の仕方。恐らく大半の読書は予想を裏切られただろう意外性がありながら、その意外性が読み手を白けさせない非常にギリギリの所を攻めていて、受けるか否かの見極めが上手だなあと感心しました。




2作目は、新田章氏の『あそびあい』1巻。

あそびあい(1) (モーニングKC)

あそびあい(1) (モーニングKC)


【ストーリー】
快楽と欲望に忠実な女子高校生、小谷さんは、気持ち良い相手とヤれれば良いという考えの持ち主。小谷さんの相手の1人で、何とか小谷さんに振り向いて欲しいと願う山下くんと、小谷さんと山下くんの関係を知りながらそんな山下くんを好きになってしまった小谷さんの親友みおちゃん。3人の関係はどうなる……?


 あゆみBooksで一巻が全て立ち読み出来たので、読んできました。
まず、作者の方の名前が存じ上げている先生と同姓同名でびっくりしたんですが、それはどうでもいいので感想を。

本作は、読んでいてとても不愉快な気持ちになるし、読み終えても幸福とは程遠い気持ちにしかならないのだけれど、不愉快の一言で済ませてはいけない良作。
以前面陳されているのをちらっと見た時、表紙だけで「まーた意外性を狙ったミーハー作品か」とか思って読むのを避けていてごめんなさい。とても面白かったです。『聲のかたち』よりダーティだけど、分野は同じかな。


私の先輩にあたる方で、小谷さんと全く同じ思考法をする方がいらっしゃるんですが、その方と小谷さんの像が結構重なって、妙に納得しました。
単純に、「性的な奔放な人間とそれに振り回される周囲」のような書き方をする漫画なら、個人的にそのての人が苦手な事もあって途中で読むのを放棄していたと思います。
けれども、本作はそれに傷つく周囲の世界と、宇宙人としてのフリーセックス女子の世界が同居していてとても読み応えがあった。

例えば、山下くんは小谷さんから「同じように自由にして良い」と言われているのに、そう割り切れない一方通行の恋愛感情ゆえに小谷さんを独占しようとするし、「いつかは自分が小谷をまともにしよう」と考えている。
小谷さんの親友のみおちゃんは同じような考えを共有している上、自分に振り向かない、手に入らない山下くんを好きでいる辛さから喧嘩し、小谷さんに仲直りの条件として山下くんと付き合うように言う。
小谷さんは山下くんを一度振っていますが、みおちゃんと仲直りするために形式上は「付き合い」、他の男性とも今まで通りの関係を持続する。

小谷さんの価値観は大っぴらに認められるようなものでは全くないし、私からすると個人的には相容れない、一緒にいることは出来ない考え方の人間です。
ただ、小谷さんは、そんな自分の価値観を予め相手に提示しているわけで。その小谷さんの考えを個人的な不愉快ではなく、一般的な観点から変、異常な修正すべきものと捉える権利は誰にあるのかなあと考えさせられます。
だって、山下くんもみおちゃんも、不愉快なら「ここは無理」と相手に伝えれば良いし、それが言えない、もしくは言っても修正してもらえないような状況で、かつ不愉快な事に人間関係を続けるために障害になるような拘りがあるなら、きっぱり縁を切ることは出来るのですから。

兎も角、良い作品でしたから早く続きが読みたいです。2巻が楽しみになりました。
※ちなみに、主人公がこの3人だけのままかは分かりませんから、【ストーリー】の纏め方はあまり適切でないかもしれません




それでは、長々と続けましたが今日はこの辺で。
明日は月曜日ですが、明日からも頑張るぞー。ではではー。