ポストイットとラインマーカー

わなび学生による漫画、アニメ、日常中心の覚書ブログ。短歌も1日1首載せています

11/17(日)②ああ、ホワイトアルバムの季節だ

WHITEALBUM2第7話。今回の話、つまり「学園祭ライブ」で3人の関係が破綻するとはゲームで知っていたし、アニメ本編で予告もあったので目を離さず観た
 
 
OPを取り払っての映像作成は、前作アニメ『WHITEALBUM』の第13話を思い出させる。前作ではちょうど1クールの終わりで、「WHITEALBUM」のライブだった
 
前作でのライブは、由樹のアイドルとしての成功がいよいよ確実になり、冬弥も緒方英治から由樹を巡って宣戦布告され、冬弥が由樹との間のどうしようもない溝を感じる重要な転機だった
 
対して、本作での「学園祭ライブ」は、2人の気持ちを多少承知しているかもしれないが能天気に「3人一緒」を語る春樹と、冬馬、雪菜それぞれの溝を感じる回。春樹と雪菜の接近、という事を踏まえれば、物語の始まりと捉えた方が良いか
 
 では第7話の注目シーンをふりかえろう


 
まず、ライブ直前の冬馬の言葉
「2人とも迷ったら私の音だけを聴け。何とか導いてやるから」
 
ゲームそのままだけれど、彼らの関係の中での冬馬の立ち位置を最も浮かび上がらせている。
 
冬馬はICの最後まで芯の強い振りが出来るいい子だが、本当に損な役回りだよなあ
 
 
 
そして、舞台上での雪菜対冬馬、直接対決
冬馬さん、あなたの本当の気持ちはどこ 本当に好きな人は、誰
そんなの、人に話すことじゃないだろ
私は言うよ、隠さないよ。好き、大好き(春樹を見ながら)
(冬馬、「はっ」と息を呑む)
だから、冬馬さんも、ね
私は、今まで恋なんてしなことない
 
雪菜って、純愛をフェアに貫く子に見えて、いや、だからこそやっぱり結構陰険だと思う。ストレートな愛情表現やアタックは、春樹への愛情もあるけど確実に冬馬への当て付けがある。そこにこう訊かれたら冬馬が気持ちを伝えられるなんて、本当は絶対思ってないでしょ。まあ圧倒的に不利で、力押しするしかない立場には同情するけど、私は冬馬贔屓なのでちょっと嫌な人に見える
 
冬馬も言い返せば良いのに。それを出来ないのが冬馬の良いところ、というか可愛いところなんだけど
 
 
 
 
ライブが終わってBパートへ。「届かない恋」を流さなかったのは尺のためか、後に取っておくためか。それともopで十分だと思ったのか
 
音楽室で1人でピアノを弾く冬馬のもとを春樹が訪れる
 
-だいたいお前は最初に会った時から
そのおかげで冬馬と一緒にいられるようになった
(あっ)
俺は間違ってない
(間を空けて)本当、うるさいな
(中略)
卒業してもまた会いたいな。俺たちずっと続いてたい
(冬馬、ピアノをとめる)
お前、やっぱ寝てるだろ今
そうかもしれない。いや、どうなんだろうな
あたしにきくな。だからもう帰れって
なあ、冬馬。お前、今日まで楽しくなかったか。冬馬と俺と、せつなと3人でいて、嬉しくなかったか。俺はもう、毎日が楽しくて嬉しくて。だって、だってさ、ずっと勝手に親しみを抱いていた高嶺の花がさ、自分から進んで俺の目線に降りてきてくれて。ずっと憧れてて、友達になりたかった奴と、やっと本音で分かり合える、本当の友達になれて。
あいつは花で、私は奴か
嫌か
やなわけないだろ……楽しくないわけないだろ、嬉しくないわけないだろ
(涙を浮かべながら)
だったら、顔に出してくれよ。そんなポーカーフェイスじゃわかんないよ
(ピアノの不協和音)うっうぅ(泣きながら)
冬馬?
(泣く冬馬)
どうしたんだ冬馬、何で震えてるんだよ?
寒い(胸を抱えるように)
そっか、もうすぐ冬だもんな
ああ、ホワイトアルバムの季節だ

 
春樹、この主人公はやっぱり『WHITEALBUM』の冬弥よりも嫌いだ。
 
 
「そのおかげで冬馬と一緒にいられるようになった」
「卒業してもまた会いたいな。俺たちずっと続いてたい」
思わせぶりにするくせに、するくせに。なぜ、雪菜とあそこまでいちゃこらできる
 
 
何で、平気で相手の心を痛めつけるような言葉を使えるのか。このシーンの冬馬は辛くて見るに堪えない
 
冬馬がこれだけ音楽で春樹に気持ちを伝えているのに。確かに冬馬は言葉足らずであり、かつ意固地なプライドや恐怖で一歩を踏み出せず、もう身を引こうとしている。それは全部冬馬自身の蒔いた種だ。
 
でも、その冬馬に「だったら、顔に出してくれよ。そんなポーカーフェイスじゃわかんないよ」なんて、こんな残酷な言葉は無いよ。泣いているのも気づかないなんて。というか、思い切り冬馬贔屓の視点から言うと、春樹が煮え切らないのが全ての元凶なんだよね
 
 
 
 
最終的に、この鬼畜の所業の行き着く先が以下である
冬馬? 帰っちゃったか
おはよう
えっ
おはよう
あっ、えっ、クラスの方は?
とっくに終わったよ。もうすぐ18:00だもん
もうそんな時間? 大分寝てたなぁ
私が来てからでも30分以上
起こしてくれよ
やだよ、そんなことしたら春樹君の寝顔がゆっくり楽しめないもん
なっ
えへ
ああ、ん、これ(赤いコート)雪菜が?
お母さんが持ってきてくれたんだ。昨日帰らなかったから着替えだって
悪い、こういうの男の役目なのにな
コートを着せる
うううん、春樹くんは十分男の子の役目、果たしたよ。私に勇気をくれた。あの高い場所で、沢山の人に向かって、それでも楽しく歌える勇気を
それは、雪菜が最初から持っていた勇気だよ。俺は何にもしてない
たぁのしかったねぇ
めちゃくちゃなあ
ライブって凄く緊張するけど一度やっちゃったら二度とやめられなくなりそう
(中略)
じゃあ、じゃあさ、またやらないか3人で。俺は兎も角、雪菜と冬馬がいればもっと大きなイベントだってさ
ねえ、春樹くん
えっ
これからも、ずっと一緒にいてね
雪菜さえ良ければ
(中略)
待ってたらダメなんだよ……
どうして
約束したよね。進学しても、進級しても、もしも学部が違っても、それからそれからええっとね
落ち着けって今明かりつけるから
ダメっ(手を掴む)
(以下は辛くて筆記していない)

 

冬馬のいなくなった音楽室で雪菜といちゃいちゃ。「悪い、こういうの男の役目なのにな」とか、そういう言葉をまた使う。雪菜に心揺れるのは分かるけど、冬馬の事を好きなんでしょ。何度も言うけど、煮え切らない態度は本当良くないよ自分自身のためにも

 

しまいには、

「じゃあ、じゃあさ、またやらないか3人で。俺は兎も角、雪菜と冬馬がいればもっと大きなイベントだってさ」

また、また春樹君はこういう事を言う。今度は雪菜を傷つけるか…本当に何にも理解してないんだね

 

その行動が焦る雪菜の背中を押して、この後2人は、2人は……まあ兎も角、彼らのpする教室のピアノの椅子に、冬馬の帽子が置いてあることが印象的

 

 

総括としては、これから冬馬を失うだろう春樹君に、果たして冬馬を捕まえておく権利はあるのか。その答えを視聴者にこれでもか、と刻みつけてくれた話だった

 

別に原作がエロゲーだし、アニメだから良いんだけれど、やっぱり主人公本人に自分勝手の自覚が無さすぎる設定だと辛い作品になる。第7話を見て改めてそう学んだ。

 

まだ、前作のプレイボーイな主人公である冬弥の方が、ズルズルとはいえ罪悪感を背負っているから救いようがあるなあ……